N.O.(Nord Ost)

学校ないし 家庭もないし 暇じゃないし カーテンもないし

全感覚祭18を離さないで

思えばしばらくライブの記録をブログでは付けていない。音楽についての体験は揮発性が高く、すぐに書き留めないとどこかへ消えてしまう。

それと、文章で記録を残すのはかなり格好がつかない行為だと正直自覚している。文章書くのがサマになっている人は、他のことをしててもサマになるし。24歳になって未だにそんな引け目も感じていた。

それでも2018年の全感覚祭は何かを残さなければならない使命感を喚起させる黄金体験だった。

■大阪周遊

生まれて初めて大阪に向かう。木曜に退勤して、1500円の高速バスに乗る。同行者の中島くんはパーキングエリアの虚無アーキテクチャに夢中だった。最近、ほとんどつげ義春の世界に入っている気もする。

梅田に着いて喫茶店でトーストを齧り、休憩がてらサウナ「ニュージャパン梅田」に立ち寄る。ウェルビー以来の感動的なサウナ体験だった。浴室が3フロア存在していて凄すぎた。サウナ文化は徹底的に西高東低だ…。

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その後はアメリカ村や道頓堀、新世界や西成をくまなく散策して前入り日を完了する。大阪の空気感は川崎や関内のそれとほとんど同じで落ち着く。ルーザー的な空気は優しい。

■全感覚祭

僕ら以外の全員が外国人観光客という新築のホテルを後にして堺駅に向かう。さながら海外旅行。
全感覚祭18の会場は想像よりだいぶ路上だった。高架下をくぐった瞬間、空間に別のレイヤーが重なる。音楽。展示も刺激的で、パンクスだらけなのが憧れの80'sアングラを想起させる。

 

初日から全てのバンドに圧倒されたけど、特に山本精一vampilliaが頭2つ抜けていた。

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山本精一さんが演奏前に放った「(ステージから)離れてくれ…危ないから」という発言、ギャグなのかマジなのか分からなくて空気が凍った。恐ろしい人だ。

まさかソングラインを聴けるとは思わなず、多幸感でちょっと泣いた。僕は羅針盤が本当に好きだ。

 

初めて観たvampilliaは部族の奇祭みたいで本当に感動した。これはマジで最高だった。美しい。ボーカルに仏や神様のような凄味があった。激しさの中にあるものを読み取りきれないハイコンテクストな音楽、もっと長い時間をかけて観たかった。

他にもthehatchやねじ梅タッシなど全て死ぬほど良かったけど書ききれない。

 

中略

めしも最高。堺駅 美さを あなごひつまぶし 1800円

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2日目は開幕のおばけ(マヒトゥ・ザ・ピーポー/下津光史/青葉市子)で人生最良クラスの時間を過ごしてスタート。天才が3人揃うとこういうあの世みたいな演奏になる仕組み?あと全員ドラムがうまい。

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羅針盤渚にてに全く引けを取らない純度の高い唄をたくさん聴けた。天にも昇る気持ち。音源が欲しい。その後すぐにGofish。ファズとかこの世に必要無いかもしれない。

 

といった気分でスピりかけていたところを打ち砕くHIMOの泣けるぐらい愛溢れるステージ。この人たちは本当に綺麗だ。誰も傷ついていない。HIMOは全員を愛してくれるし全員はHIMOを愛している。モッシュで腰がバキバキになった。

killieを初めて目撃する。ある一定のジャンルにおける大家の貫禄と密度。のどかな野外の雰囲気が一転した。恐ろしくてステージの後ろからずっと眺めた。目は離せない。痺れる。

 

踊ってばかりの国、FOSで観た時ありえないぐらい感動した体験がやはり本当だったみたいで、プリミティブなギターと唄とベースとドラムの音楽の強さを知った。シンプルに熱くなってしまう。BOY。

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原田郁子ソロは途中テニスコーツ/青葉市子が参加して奇跡のセッションが始まって大変だった。両隣の人が完全にあの世に飛んでしまっている表情だった。

 

最後にGEZANが2日間で上がりきったハードルを颯爽と飛び越えていった。
初日のBODYODD(鎮座DOPENESS呂布カルマ、gofish、the hatch 等が飛び入りする)超えがあるのか?と懐疑的になったけどただの杞憂で、本物のカリスマだった。

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2日目のBODYODDにはLOSTAGEやkillieが飛び入りして大事件の目撃者になってしまった。何かが起きつづけている。
最後にアンコール、absolutely imaginationとwasted youth。町中に自慢したい時間だった。現場の、生の体験の置換不可能な時間。沈黙は静かに語るだろうし、現場は語らずに伝えてくる。GEZANの与えてくれる希望とパワーはもしかすると人生を変えるかもしれない。

新幹線て気合の終電帰宅。頭痛と腰痛に苛まれながら感想を言いあいもせず、横浜市まで戻った。

 

ここまでの記録には自分がしたさまざまな体験の1割ぐらいしか盛り込まれていない。
the hatchに驚愕する地元の高校生たちや、踊ってばかりの国に聴き入る通りすがりのお婆さんなど、そういった美しい一瞬がたくさん脳内にストックされていると思うから死ぬ前にもう一度観たい。

■目撃したライブの一覧

初日

imai / have a nice day! / 台風クラブ / ねじ梅タッシと思い出ナンセンス / vampillia / NOT WONK / 山本精一 / the hatch / 鎮座DOPENESS / YPY / POPO / GHPD

2日目

おばけ / Gofish / HIMO / odd eyes / no edge / ropes / 青葉市子 / suueat. / killie / the novembers / 踊ってばかりの国 / 原田郁子 / LOSTAGE / GEZAN

 

今年の全感覚祭は100年残るような、ライブ?イベント?フェス?どれにも当てはまらない何かだったし、体験出来て本当に幸せだ。
終電までのリミットが近づいてるのにアンコールで最前列に飛び込んでいった中島くんにはハラハラした。付き合ってくれてありがとう。

付記

2日間を通して、逆に開き直ってモリモリ仕事に打ち込めた今日だけど、なぜか途中抜けしたハバナイのライブと新曲「わたしを離さないで」が頭から離れない。

歌詞が全感覚祭とリンクしているからだろうか?とにかくメロディは素晴らしい。


Have a Nice Day!(ハバナイ!) - わたしを離さないで【 MV Edit Version 】

美しいものだけを貪っている 汚れなき欲望に身を委ねて

美しいものだけを貪っている 罪深き愛のリズムに揺られて