N.O.(Nord Ost)

学校ないし 家庭もないし 暇じゃないし カーテンもないし

とよ田みのる「友達100人できるかな」に教わった、泣き笑いの美しさ

 


僕は23歳でもうすっかり大人です。大人というのは、年齢や身分じゃなく子供の頃を懐かしむ気持ちが生まれたときになるものだと思います。
もう2度とは戻らない美しい時間への郷愁や後悔。そんな感情の救いになったのが、今日読んだとよ田みのる友達100人できるかな」。

 

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あらすじ
出産を控えた妻を持つ36歳の教師直行の世界に、宇宙人がやってくる。彼(彼女)たちの侵攻を防ぐには、地球人が「愛」を持っていることを証明するため、友達を100人作らなければいけない。
試験会場は小学生だった1980年のパラレルワールド。2009年からタイムスリップして、身体は子供・頭脳は大人の直行が、宇宙人の道明寺さくらと、友達作りに奔走する。

 


小学生の頃にしかない掛け替えのない営みや、子供にも大人にも通底する感情、そして「愛」。それを求めて主人公・直行くんがガムシャラに駆けずる全5巻の漫画です。
「あの頃、確かに友達だった」「もっと友達になればよかった」そんな後悔は、日本的ガキ社会で育った人すべてが持っている普遍的な感情のはずです。
友達100人できるかな」は、初めから終わりまで、あの時の「もしも」を徹底的に見せてくれた。こんなに幸せな漫画はない。涙が止まりませんでした。

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僕が本当に好きになるものの共通点は、「泣き笑い」が軸になっているもの。基本は楽しさや喜びが、そんな中に入り混じる韜晦や感動。片想い・クッキングパパBOaTムーンライダーズ・町の銭湯・家族・友達・AMP・etc・etc・etc。過去や現在辿ってきた好きなものを、殊更に補強してくれる素晴らしい漫画でした。

 

分かり合えない事がこの世で一番つらいことで、分かり合えた一瞬がこの世で一番美しいものだ、と僕は極東学園天国なんかを読んで学んだのですが、「友達100人できるかな」はそれを見事に肯定してくれました。

キャラクターの動き、コマやフキダシの配置、シチュエーション、ストーリー、絵、すべてがあたたかい。
内容については語るべくもなく、ただ一言読んでみてください、としか言いたくありません。人の営みが輝く瞬間が一番美しい、そんな漫画です。

自分の醜さやふがいなさすらどうでも良くなるぐらい、人生の中の一瞬の美に気づける漫画が「友達100人できるかな」です。

11/24 BODY LANGUAGE vol.5 @江ノ島OPPA-LA

十三月の甲虫企画・absolutely imaginationアフターパーティ。22:30〜朝まで。自宅からオッパーラのある片瀬江ノ島はそれなりに近く、ほぼ地元の湘南住まい中島くんと共に乗り込んだ。2800円貸してくれてありがとう。借金でライブを観てしまった。

80'sアングラシーンの只中にでもいるような強烈体験で、実体験であることに違和感を覚えるほど浮世離れしたイベントだった。


suueat.を見逃してドン底になっていたとき、急に始まった謎のノイズDJが数十分。ティッシュを食べながらハーシュノイズを撒き散らし続けていた。音圧で耳がバグりかけた。いい感じ。

 

その後の黄倉未来は「リズムマシン付き電車のキチガイ」的アクト。まず最初に客へ絶叫を強いることで「観る・観られる」の垣根を強制的に取っ払い、安全圏に誰も置かれていないことを強烈に自覚させる。恐ろしい。その後延々と展開されるソロ演劇の内容も、分裂病っぽくてカロリー過多(死んだ黄倉未来が小さな黄倉未来に分裂する筋書き)。最高だったけど向こう半年は観たくない。クソ怖かった。


電気グルーヴの狂人ドラム大会がロングセットで行われて続けている、しかも観客を巻き込んで、と言えば分かりやすい。街のキチガイのパフォーマンスの矛先が自分へ向いた時の焦燥を有料で体感出来る稀有な機会。

 

kk mangaを観る。黄倉未来が負の発狂だとするとこっちは正の発狂といったところで、エネルギーの塊のようなライブだった。あと1歩ズレれば只のノイズになるぐらいギターが歪み狂ってて痺れた。2台のドラムも工事直系のあり得ない音がして素晴らしい。

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GEZANはヒーローとしか言いようのないカリスマ性を帯びていた。適当に撮った写真からして神々しい。何も言うことはない。マヒトゥー・ザ・ピーポーは喉がブッ潰れようが格好いい。Absolutely Imagination。

 

楽しみにしてた青葉市子で脳波がストップしてほぼ寝てしまい、始発で帰宅。体調がひたすら悪化して、火曜に会社を休んで14時間寝る。今元気。金曜はKONCOSワンマン、Lioと。

11/5 カクバリズムの15周年 @ 新木場STUDIO COAST

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マスフェスの余韻と腰痛を抱えたまま、新木場へ。洒落た人たちが7割、オタクの人たちが3割、当然オタク側へ加勢する運びとなった。コンビニでビールとウイスキーとビーフジャーキー買ってゴクゴク飲んだ。長丁場をなんとか過ごして結果大満足なものの、腰がおしまいになってしまった。

 

よかったもの

 

1.スカート

メジャーデビュー本当にめでたい。捻くれたセンスをポップスとして濾過して演奏するスカートは、そのセンスを決して不純物と扱わずにうまく両立しているレベルにまで達している。曲は新旧織り交ぜで、旧いので大好きな「セブンスター」、新曲で大好きな「さよなら!さよなら!」が1つ抜けたクオリティ。久々に観ると本当に落ち着く。

 

2.キセル

カクバリズムの夏祭りで初めて生で観たときのショックが忘れられないまま再見へ。凄すぎた。
はなればなれ、ギンヤンマといったド名曲から日本の土着的な匂いを感じる新曲まで。生で観るまで気づかなかったけど、今はドラムがキセルの骨子を造っているように聴こえる。羅針盤とも通ずる、内的に深く沈むような感覚が気持ちいい。

 

3.思い出野郎Aチーム

酔っ払った知らない兄ちゃんと喋りながら観た。メンバーの友達らしくて、青春と切っても切れないバンドらしい。それって正に思い出野郎なエピソードで、より一層楽しんで観れた。
「週末はソウルバンド」のカタルシスから出勤絶望ナンバー「月曜日」で締めくくり。救われた気がするし、周りのおじさんもみんなそうだった筈だ。

 

4.片想い

片想いの魅力は短いステージだと伝わりきらない。非音源のすばらしい曲たち(特に来るブルーが好きだ)もあんまり聴けないし、あのコントも控えめになってしまう。
それでも、他と替えの効かない魅力があるのが片想いで、とにかくいつ何度観ても最高。初めて生でセンチメンタルジントーヨー聴けてハッピー。

 

5.二階堂和美 with Gentle Forest Jazz Band

文句無しベストアクト。今日これ観れたからもう何も言うことない!本当に来てよかった。
21人のビッグバンドの瀟洒な音に全く負けない二階堂さんの痺れる歌と立ち振る舞いが去年観たクレイジーケンバンドと重なった。こんな奇跡的な音楽が不意に聴けてしまうから邦楽は面白いと思う。

https://youtu.be/LDPTA8mInLM
本当に最高!!

 

6.cero

1年ぶりで、新編成観るのは初めてだだた。ユリイカのインタビューで読んだ事柄と繋がるような緻密で鮮やかなステージだった。
obscure ride期よりも更にリズムに重点が置かれつつ、ジャンルの定義が無粋になるような孤高の道を突き進んでいる。2曲あった新曲が「街の報せ」以降の、メロディが弱まり情緒や表現が婉曲的となった雲隠れな音像をよりくっきりとさせた恐ろしい音楽だった。どこにいるのか分からなくなる。

 


カクバリズムが好きだからイベントに行くのではなく、あくまで「出ている人たちを観たいから」という理由でチケットを買ってるんだけど、毎度新しい発見があって興奮しながら帰ってるような気がする。結果的にカクバリズムが好きみたいだ。

11/12 NEWTOWN @ 旧三本松小学校


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CINRA.netが主催している「大人の文化祭」がコンセプトのフリーイベントに行きました。内容がフードフェス、カルチャーマーケット、音楽ライブ、美術展、演劇、映画祭、落語、音楽市、大人の学校(授業) と、とりあえず全部乗せみたいな贅沢な一日だった。贅沢をした。

 

 


前日に酒を痛飲し、朝6時就寝から10時起床、地獄のような二日酔いを引きずりながら多摩センターへ。日がガンガンに差し込む日曜の京王線は最高の乗り物だった。多摩センターは遠すぎて旅行のそれに近かった。

とりあえず到着してラッキーオールドサンを観る。ミッドナイト・バスという曲が素晴らしかった。中島くんと合流して、屋台のもつ鍋をつついたりバザーを見たりした。
このとき、VEGETABLE CORPORATIONというコーヒー豆や酒に音楽を添えて売っている面白いお店を見つけたから、とりあえず試しにシングル曲=コーヒー1パックを買ってみた。消える嗜好品に残る音楽が添えてあり、若干キザっぽいけど素敵だ。

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その後、LOSTAGE五味岳久さん×kilikilivilla我孫子さんのトークショー。インディペンデントについてというテーマで、それぞれの活動についての話を1時間ほど。In Dreamsの販売形態やTHROAT RECORDSに来る面白い客(エレクトロをDigりにくるお婆ちゃんや、PUNPEEの12インチだけを毎回視聴しにくる中学生とか)など、五味さんの話が超面白かった。

 

トリプルファイヤーを途中から観る。バンドの進化がどうとかに非プレイヤーが言及するのは野暮ったいけど、これはどうなってしまうのか?というエクスペリメンタル感。前見た時より格段に良かった。

 

NOTWONKの弾き語りまで時間が空いたから校内を散策。廃校特有の子供の制作物や古びた設備に混じってデジハリの学生のインスタレーションが点在している感じが植芝理一の漫画みたいで異様にワクワクした。屋上が喫煙所だったりするのも最高。
NEWTOWNというタイトルに沿ったニュータウンを題材にした展示が素晴らしくて、自分の住む団地タウンに抱く気持ちを重ねながらじっくりと観た。中島くんも俺も大興奮。 

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NOTWONK弾き語り。この人本当に同い年なのか?という圧倒的な貫禄で、見ていてスカッとする気持ちよさ。クソかっこいい。

早めに切り上げて独りでコトリンゴへ。ずっと観たくて念願だった。ピアノ+歌だけのソリッドな編成で息を飲む音像。極東学園天国で信長がピアノを弾く最後のシーンを思い出す。
「悲しくてやりきれない」が始まってから最後の曲(この世界の片隅にED たんぽぽ)まで号泣し続けてしまい、隣のサブカル姉ちゃんにキモがられた。そのまま泣き顔でサインを頂きに行く。生きてて良かった。

 

大橋裕之先生が普通に座ってて500円で似顔絵を描いてくれた。「大橋裕之の目」が自分にも備わってうれしい。

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ラストは五味さん弾き語り。痺れた。GEZANスプリットのMy Favorite Blueキセルカバーの手紙、ラストのNAGISAが特にズバ抜けて良かった。ご家族も来ていたらしく、気合の入り方が伝わってきた。心酔する人がいるのもよく分かる、最高の時間だった。


最近、ライブを一層よく観ている割にその場の満足感で流されてブログをサボっていた。

日記形式でダラダラ辿った道筋を書くだけになってしまったけど、やっていくぞという思い・ハードル下げてでもとりあえず量を書くぞという意思のもと今日の素晴らしい満足感をメモ書きした。
中島くんは中本が食べたくて町田で降りたけど、改装工事で死んでしまったみたいです。

健常者になれないことを決定づけたオタク音楽12選

オタクをやっていって長い。当時コテコテのアニメソングを朝方の流れで浴びていき、速攻でオタクの芽を発芽させていった90年代生まれは何人もいるだろう。僕もその1人で、サッカーや野球のチームに所属していなかったこともあってモロに被曝してしまった。そんなオタクカルチャーについて、「1994年世代という立場」「オタク音楽という観点」から回想していく。

 

 

■小学生編 

 

昔は土日の朝帯にオタクアニメ枠があって、ギャラクシーエンジェルとかデ・ジ・キャラットが朝9時半とかに放映されていた。マジで狂っている。決定的なきっかけはおそらくこれだろう。当時の朝アニメの流れで自然と視聴していくと自然とオタク力(ぢから)が醸成されていった。俺と弟の人生を返して欲しい。

 

1.デ・ジ・キャラットにょ - Party☆Night

 

 

00年代オタク音楽を語る上で必ず上がるであろう一曲。しょーもない電子音の洪水がボルテージを上げ倒し、その後の公園での「ドロケイ」や「デュエル」も捗った。スラップスティックなギャグ+オタクカルチャーのミックスに、まだ見ぬオタク世界を思ってワクワクしていた気がする。キモ過ぎる小学生だ。

上の世代にとって黎明期インターネットと結びついた記憶は、94年生まれにとっては公園を想起してノスタルジーと重なる。

 

2.ゾイドジェネシス - ありのままでLovin'U

 

間違いなく決定的にオタクになった要因。Do As InfinityのOPも良い曲で覚えてるけど、アニメの内容は全く覚えてない。比較的シリアスな話だったと記憶しているけど、それに反してゴリゴリのデュエットオタク音楽がEDでブチ流れる異様さがたまらない。

当時おはスタでミニライブが設けられていたから観たら、声優が全然可愛くなくて夢がブッ壊れた思い出がある。

 

4.ポポロクロイス物語 - 桜見丘

 

 

これに関しては全く話に覚えがなくて、ただこの曲だけを異様に覚えている。Local Busというユニットが作った普通に正統派の00年代歌モノで、ずっと聴き続けている。この辺りの時代のEDテーマにやたら多用されていた「ワールドミュージック・風」歌モノが今の耳を作ったと言っても過言じゃないと思う。

 

4.巫女みこナース - 巫女みこナース・愛のテーマ

 



時は動画サイト前夜のインターネット隆盛期、僕たちが観ていたのはFLASH倉庫だった。学校のパソコンは厳しいアクセス制限がかかっていたけど、ドメインか何かの都合でたまに掻い潜れるサイトがあってみんなで休み時間とかを使って観ていた気がする。Digの情操教育。当時のオタクが作ったFLASH動画で使われていたこの曲はかなり強烈に印象に残っている。エロゲーやったことないけど。

 

■中学生編

 

Youtube誕生・ニコニコ動画誕生と現代に繋がるオタク土壌が耕されていった時期にあたる。私事としては、この時期にiPod Touch(初代)を獲得して24時間オタクDigをやっていけるようになった。BB2C(2chブラウザ)とYoutubeアプリは10年前のβ版から使っている。何の話だ

友達と遊びたいしインターネットに勤しみたかったから部活を辞めた僕は、オタクの大海へ漕ぎ出していった。

 

5.ハヤテのごとく!ハヤテのごとく!

 

オタクの中では「深夜34時アニメ」といかにもオタクが好みそうなジョークで語られたアニメ版のハヤテのごとく!は、1期の土曜時代が僕の中でのすべてだ。デ・ジ・キャラットやかってに改造などのギャグ+オタクカルチャーMIXを主とした作品の系譜として、確かに一時代を築いていた。

最初のこのOPとEDのProof(http://www.nicovideo.jp/watch/sm17453332)が超好きで、特にProofの方は10年ぐらい聴いててキモい。

 

6.天元突破グレンラガン - 空色デイズ

 



ここが分水嶺となった人も非常に多いと思う、最高のアニメの最高のOP。無視するわけにはいかなかった。ロボットアニメ特有のアクセルを踏み抜くキチガイテンションを、文脈を知らずに体験した世代が1994前後だと思う。その後GAINAXという言葉だけでエヴァの方に行き、そっちの水の方が合ったため一時鬱病となった。アイキャッチが懐かしすぎてガチ最高。

                

7.東方Project - 月夜を隠さない程度の能力?



これについては挙げるか迷ったけど、どう考えても通過点として存在しているからピックアップした。IOSYS懐かしすぎてハゲる。中学生の頃「東方」好きだった、なんて言うとダサくてインターネット村八分だ!みたいな観念が1994周辺生まれのオタクにはある程度あるんじゃないかと思う。

コンテンツが大きすぎてボリューム層が痛い・ミームとして寒すぎる・とにかく恥ずかしい。それでもたまに懐かしくなって大昔の動画を開いてみたりするから、自分も東方通ってきた気持ちの悪いオタクなんだなと今はしみじみ思う。

 

8.らき☆すた - 寝・逃・げでリセット!



ハルヒについては敢えて何かを語ることもなく、もってけ!セーラーふくも同様だから、敢えて音楽としてよく聞いたこれを挙げる。僕は気持ちの悪いオタクだったから抽出サイトでシコシコ音源を作っていた。ブートにも文化がある。

ハルヒらき☆すた辺りの熱量は1人もオタクの友人がいなかった頃でさえ伝わってきた。そしてこの辺を皮切りに現代でいうイキリオタクみたいな死ぬほどしょーもない人類が多数誕生して、この世は終わった。1.25倍の方を選んだ理由は、そういう文脈があるからです。

 

9.ロザリオとバンパイア - DISCOTIQUE

 

 

水樹奈々の全盛期、個人的にはこの辺りだった気がする。ロザバンジャンプSQが創刊されて移籍になってから後追いで漫画を読んでいた。漫画にジャンプSQ・別冊マガジン辺りが創刊して大きくのめり込んだ。オタク音楽を振り返っても結局は漫画がこうして人生に突き刺さってくる。俺はFLASH倉庫生まれブックオフ育ちのオタク。

完全な余談ではあるけど、今日サウナに行った帰りに懐かしくなってこれを聴いたのが今回の文章につながる。エセスウィングとも言えるこの曲のように、オタク音楽は何らかの音楽にオタク要素を混入させたものが多く、その「美味しい所引っ張ってきました!」的コテコテ感が癖になる。ダサさの妙。

 

10.マクロスF - 星間飛行

 

マクロスFも気づけば10年ぐらい前のアニメで、そんな感じがしなかったから思い出すのに時間がだいぶかかった。話の流れやタイミング、曲といい詩といい何もかもが完璧すぎるオタク音楽だ。聴いているだけでオタク心(ごころ)がモリモリ高まってくる。

松本隆って天才だと思う。

 

11.ひぐらしのなく頃に - you

 

星間飛行とこの曲を入れたいがために12選と中途半端な曲数になってしまった。オタクにとっての夏の歌は幾つかあって、特にメジャーなのがこれと夏影・鳥の詩だろうか。実はオタクは健常者と同じぐらい夏が好きな生き物で、それはオタク作品の夏回とコミケ(行ったことない)があるからだろう。夏最高。

 

番外:高校生編

 

この頃、オタクカルチャーに飽き一時離れサブカル臭い道に立ち寄る。そして大槻ケンヂ中島らものエッセイを読みながらRadioheadゆらゆら帝国を聴く根暗な高校時代を過ごす。非常にイタい高校生だった。ただし、地デジ化で録画のしやすさがハネ上がったからアニメはそこそこ見ていたような気もする。

 

12.THE IDOL M@STER全般

 







高校時代=アイドルマスターと言っても過言ではなく、特にアニメシリーズ放映中は完全に宗教だった。死ぬほど根暗で気持ちが悪いオタクの青春であるアイマスサイリウム担いでライブまで観に行ったりしていた。今は新しいコンテンツが出過ぎててもはや追っていけないけど確実に一時期は心の支えだった。

追記:アイドルマスターにはカバー曲の文化があって、JPOPの名曲が公募でこれでもか、と収録されていた。むしろそっちが好きだったし、それを契機に邦楽への知見が深まった。

 

 

と、このように自分のオタク地層をボーリングしていくと、現在の情緒や嗜好につながる何かを汲み取ることが出来るような気がする。歌モノ好きの要素や、vaporwave/futurefunkに感じる想いだとか。

オタク音楽には固有のエモがあるから、気持ちの悪いオタクにとって体感したことのない青春の補完になる。今でも狭義のオタクについて、ずっと状態異常みたいなものだと思っていて、人と分かち合うことが全然なかったけど振り返ると恥と同じぐらいノスタルジーが転がっている。

仕事の後は無駄なこと

「教養とは独りで暇をつぶせる技術のことだ」(中島らも)

 

 

給与と身分以外は特に不安や文句が無い非正規雇用暮らしを続けて4ヶ月ぐらい経った。仕事楽しいけど労働力を搾取されていることが脳裏をよぎり、価格.comとかwikipediaとかを見たりしながらノルマより多めに記事や資料を納品して17:55ぐらいに帰っている。信じられないことに、俺は仕事がそこそこ早い。

金は全然無いけど学生の頃のバイト代に2,3万円ぐらい上乗せした分は自由に遣えるから、それを全て漫画とライブ、何らかの浪費で使っている。人生は浪費。

 

本当は、仕事以外の時間をすべて好きなことに突っ込みたいけど、お金には限度があるし人と毎日遊べる訳でもない。
今日は何だかライブ観たり漫画やCD探すのキツいなって日もある。でもまっすぐ帰って寝るのはクソつまらないから、いつもフラッと寄り道して帰る。


すごく良いのは銭湯で、知らない人の生活圏に忍び込み、幽霊の気分で周囲のディープな環境を観察できるし、あと気持ちいいし体力も復活する。心身の欲求はほとんど全部賄える。マジで最高。
ただ行き過ぎて飽きかねないのが勿体無い気がするから、適度に間を空けるようにしている。

(蛇足:直近で訪れた風呂の一部区画がハッテン場になっていた、という恐怖体験があり、トラウマになりかけた)

 


今日は川崎ウェアハウスでメダルゲームをやって帰った。川崎ウェアハウスは電脳九龍城というコンセプトのゲームセンターで、内装が胡散臭くて落ち着く。この前雑にジャックポットを引いてしまい、600枚ぐらい貯蓄ができたからしばらく遊べそうだ。

 

メダルゲームって1円にもならない虚無の世界だけど、パチンコみたいなものからカジノ調のレトロマシン、子供用機器のアップデート版みたいな最新機種までとかなり多様化していて面白い。ノスタルジーというか哀愁に近い雰囲気も相まって、家で虚無になるよりは楽しい。

 

オススメはCOOL104というトランプのゲームだ。
5枚の札が配られて、同じ数字か絵柄の札を出して次の札をめくる、一定数に到達したら配当がもらえる、という行為を繰り返すだけのシンプルなルールだけど、例えばポーカーの特殊役を狙ってみるとか、効率的にめくり続ける最適解を考えたりだとか、運に思考の余地が挟まる配分が絶妙でメチャクチャ面白い。 

 

大学時代死ぬほど暇なときによく遊んでたけど完全に再燃した。俺しか遊んでないゲームだろうな、と思っていたらオカモトレイジのインスタに出てきた。

 

別にメダルゲームをやろう、という話ではなく、退勤後そのまま帰るのがつまらない人は色々無駄に寄り道して楽しいことを見つけてみれば良いんじゃないかという話だ。「アウトドア虚無」より「ベッドルーム虚無」の方が好きな人のことは理解できないから、知らない。

 

かっけえ

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できれば週7で人と遊べたら良いんだけど、独りでも暇を潰せるようにしておいた方が気が紛れて金曜が近くなる気がする。巨頭オ

高橋留美子傑作集「運命の鳥」 を読んで泣く

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漫画に打ちのめされる事が、何度もあった。

小学生時代、コロコロコミックに新創刊のIKKIの広告が出ていたことが23歳の今に至る全ての始まり。


「大人のマンガ」というようなフレーズが片隅に引っかかり続けて、中学生の頃に「ぼくらの」を発見し追いつく。以降没頭して漫画の虜になり、それから今まで、そしてこれからも永久に漫画を読み続けている。

 

漫画に打ちのめされた中でも、特に何度か決定的な瞬間があった。
それは、鬼頭莫宏を読んだとき、志村貴子を読んだとき、沙村広明を読んだとき、植芝理一を読んだとき、日本橋ヨヲコを読んだとき、以下収まらず、略。


人生における最大の衝撃と言えば完全に志村貴子で、こればかりは大好きなBOaTや片想い、ムーンライダーズなどの音楽よりも半歩前に出る。俺は最後には漫画。

 

さて、そんな決定的な「打ちのめされ」を、再び体感したのは、高橋留美子の短編集「運命の鳥」を読んだついさっきのこと。あまりの衝撃で放心した。良すぎ。
商業ベースの最前線で、アートスペースからパチンコ屋までを駆け抜け続ける、漫画の神様の威光を見た。


著書自体の話を簡単にすると2006年-2011年の近作を集めた掌編で、いずれもビッグコミックスピリッツ掲載のもの。過去のアーカイブが一つも無い、現役作家としてのパワーが遺憾なく発揮された一冊。
表題作以外のすべてが夫婦や家族を主題とし、ラブコメの御大の手で人間模様が生き生きと描かれている。昭和日本のステレオタイプな家庭の中のディスコミュニケーションと、その雪解けの物語。


この中に収められている「年甲斐もなく」(2010)を読んで、ボロボロと泣いてしまった。
話は以下の通り。

 


妻に先立たれた老人が、スポーツジムで出会った若い女を愛してしまう。息子からは「亡き母と父は冷めきっているというか」(P39)と夫婦の間に愛情は無かったように見られていた。
しかし、老人は亡き妻のことを心底愛していた。婚約者に逃げられた母に寄り添いたい一心での結婚。式も挙げず、指輪も無く。

そんな経緯から、老人は
「女房は本当に仕方なくおれと一緒になったんだね。」(P46)
「本当さ、おれは一度だって愛されたことがない。」(同)
と、長年さみしさの最中にいた。

それでも、実は亡き妻は老人を愛そうとしていた。死の前に、離婚届と指輪のカタログを出して選択を迫った。一悶着の末出てきた離婚届の下には、妻の字で書かれた貸衣装と写真館の予約申込書があった。妻はウエディングドレスとモーニングを予約し、改めて結婚写真を撮りたかったのだ。

 


こんなこじれた愛の話が、終始軽快なテンポと穏やかな雰囲気で描かれている。柔らかさや、時折ブレイクのように入るギャグには、この話が漫画である必然性がすべて詰まっている。

映画でも小説でもない、漫画にしか表現出来ないこの物語を読んで、そんな話じゃないのにボロボロ泣いた。

 

その後に続く表題作「運命の鳥」(2009)も、この物語を補強しているようなストーリーで、1枚のアルバムを通して聴いたような収録順の妙も感じられた。

漫画界の歴史的名盤だと思うし、棚の一番いい場所に大事に並べることを決めた。胸がいっぱいになった。ラブコメの大家からvaporwaveのアイコンまでを勤め上げる、日本トップ漫画家の底力を見た。

 

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蛇足:とにかくキャラクターが可愛くてラムちゃんや響子さんを生み出した最高峰のイラストワークも楽しめるし、漫画としてのテンポや見せ方には萩尾望都の短編にも通ずる超絶的な技巧を感じられる、激良な一冊。

正直高橋留美子作品は長編ばかりでちゃんと読めてるものが無いんだけど、それでも間違いなく「高橋留美子ならこれしか無い!」と言い切れる。そんな短編集を2011年に作れるのは異常過ぎて、創作者としての次元が違い過ぎてクソヤバい。マジでおかしい。凄すぎる。漫画好きな人全員に読んでもらいたい。